
借主から鍵交換をしてほしいと言われたが、どうしよう?
借主から鍵交換をしてほしいと言われたが、
ノウハウがない・・・鍵業者に頼むと高い
どうしよう?
「防犯が心配なので鍵を替えてほしい」——入居者からの一本の連絡で、費用も手配も頭を抱えてしまうオーナー様は少なくありません。じつは鍵交換は、誰が負担するのか・いくらが適正なのか・どう発注するのかの3点さえ押さえれば、怖い話ではありません。この記事では、契約と法律の考え方から実際の相場、業者に頼むと高く見える理由、そして管理会社を使うべき場面までを順に整理します。
この記事の結論(3行)
- 鍵交換の費用は「原因」と「契約条項」で決まります。全額オーナー負担とは限らず、全額借主負担とも限りません。
- 相場は1か所あたり22,000円〜55,000円。鍵の種類と時間帯で大きく変わります。業者に直接頼むと高く見えるのは、緊急対応と手配料が上乗せされるためです。
- 迷ったら「原因確認 → 契約確認 → 見積 → 書面合意」の4ステップ。この順番を守るだけで、九割のトラブルは防げます。
PROBLEMなぜ「鍵交換」は相談が多いのか
賃貸経営の相談で、鍵交換は本当に頻繁に出てくるテーマです。理由はシンプルで、「交換したほうがいいのは分かるけれど、誰がいくら払うのか分からない」という状態が、大家さん・借主・管理会社の三者で同時に起きるからです。
「前の住人が持っている鍵で入られたら怖い」「防犯上、交換して当然だと思う」
「入居のたびに自腹はきつい」「本当に必要なのか、相場も分からない」
「鍵は目に見えない」「業者の言い値が分からない」「緊急だと比較できない」
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に関する参考資料では、退去時の原状回復でトラブルになりやすい部位として「鍵」が8.0%(令和4年アンケート・N=437)に挙がっています。クロスやフローリングに比べれば数字は小さいものの、1件あたりの金額は数千円〜5万円台と小さくなく、しかも「納得感」が問題になりやすいのが鍵の特徴です。
本記事は、居住用の建物賃貸借(一般的なアパート・マンション)を前提にした一般的な整理です。実際の取扱いは契約書・重要事項説明書・募集図面の記載によって変わります。個別の判断が必要な場合は、管理会社または専門家にご確認ください。
RULEまず押さえる3つのルール(法律とガイドライン)
鍵交換の話は、感情論ではなく3つの土台の上で決まります。ここを押さえると、「なぜオーナー負担と言われるのか」「なぜ特約で借主負担にできるのか」がつながります。
ルール1:民法606条 — 修繕義務は原則として貸主
民法第606条第1項は、「賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う」と定めています。鍵が故障して開閉できない、という状態は「使用に必要な修繕」に当たると考えられるため、原則は貸主(オーナー)負担です。
ただし、この規定は任意規定(当事者が別の取決めをすればそちらが優先されるルール)です。契約書で「鍵交換費用は借主負担とする」と定め、借主が合意していれば、その特約が優先されます。
ルール2:民法621条 — 原状回復は「故意・過失」の範囲
退去時の原状回復について、民法第621条はこう定めています。
つまり、通常の使用による損耗と経年変化は借主の負担にならない。鍵の摩耗・劣化はここに含まれ、逆に「紛失した」「無理に回して折った」は故意・過失として借主負担になります。
ルール3:国交省ガイドライン — 通常損耗は賃料に含まれる
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」は、費用負担を考えるうえでの実務的な基準です。同ガイドラインの参考資料では、原状回復義務の考え方が次のように整理されています。
・賃借人の通常の使用により生ずる損耗等(通常損耗)⇒ 義務なし
・賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗等 ⇒ 義務あり 国土交通省「『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』に関する参考資料」
そして、経年変化と通常損耗の修繕費用は「賃料に含まれるもの」と考えられるとされています。ここから、防犯上・管理上の必要性による鍵の交換は貸主負担、借主の故意・過失による交換は借主負担という実務整理が生まれます。
「国交省のガイドラインに“鍵交換は貸主負担”と書いてある」と紹介する記事も多いのですが、ガイドライン本体に鍵交換だけを直接定めた項目はありません。あくまで「通常損耗・経年変化は貸主、故意過失は借主」という原則の当てはめです。この点を誤解したまま借主に対応すると、説明が崩れる原因になります。
なお、借主が個人で居住用に借りている場合には消費者契約法の適用があります。借主の権利を制限し義務を加重する条項が、信義則に反して一方的に不利であれば無効とされることがあります(同法10条)。「何でも借主負担」という特約は、契約書に書けば通るものではない、と理解しておくのが安全です。
CASEケース別・費用負担の早見表
ここが実務でいちばん使われる部分です。「誰が払うか」を9つの場面で整理しました。まずは原因を特定するのが出発点で、原因が曖昧なまま「借主負担です」と言うのが一番危険です。
| ケース | 典型的な原因 | 負担の考え方 | ポイント |
|---|---|---|---|
| ① 入居時の交換 もっとも多い相談 |
前入居者の合鍵リスクを消すための防犯上の交換 | 貸主 が一般的 | 契約に借主負担の特約があれば特約優先。金額と内容を入居前に説明する |
| ② 入居時の交換 借主の希望 |
「もっと防犯性の高い鍵にしたい」「自分のこだわり」 | 借主 | グレードアップ分は借主負担。原状回復時に元の仕様へ戻すかの取決めも必要 |
| ③ 鍵の紛失 | 借主が鍵をなくした・落とした | 借主 | 防犯上、鍵だけでなくシリンダーごと交換するのが原則。遺失物届の提出を案内する |
| ④ 鍵の故障 経年劣化 |
シリンダーの摩耗、建付けの歪み、経年による不具合 | 貸主 | 通常損耗・経年変化。修繕義務(民法606条1項)の範囲 |
| ⑤ 鍵の破損 借主の過失 |
無理に回した、鍵を折った、ドアを強く閉めた | 借主 | 故意・過失。修理費の実費と作業費を分けて提示する |
| ⑥ いたずら・異物 | 鍵穴に接着剤や異物を入れられた、空き巣未遂 | 状況次第 | 被害届の有無、防犯上の必要度で判断。火災保険・設備保険の対象可否も確認 |
| ⑦ 防犯性の向上 | オーナー判断でディンプルキー等へ交換 | 貸主 | 資産価値・入居付けのための設備投資として整理する |
| ⑧ 退去時の交換 | 合鍵の返却なし、鍵の紛失、シリンダー破損 | 借主 | 退去精算の明細に「交換」として独立計上。原状回復費と混ぜない |
| ⑨ 共用部・オートロック | 共用玄関のシリンダー、カードキーの再発行 | 管理範囲による | 管理組合・管理規約・管理委託契約の範囲を先に確認する |
※ 一般的な整理です。実際の負担は契約書・特約・個別事情により異なります。特に⑥は判断が分かれるため、必ず記録と証拠を残してください。
入居時の防犯上の交換/経年劣化による故障/オーナー判断の防犯性向上。
いずれも「物件の管理・価値維持」のための支出です。
紛失/過失による破損/借主の希望によるグレードアップ。
いずれも「借主の行為や希望」が原因です。
この整理を頭に入れておくと、電話を受けた瞬間に「たぶん貸主負担です」「確認のうえご連絡します」と、判断を保留する言い方ができるようになります。これができるだけで、その後の交渉は驚くほど穏やかになります。
PRICE鍵交換の相場と費用の内訳
「鍵業者に頼むと高い」と感じる前に、まず適正価格の目安を知っておきましょう。鍵交換の費用は、ほぼ「鍵の種類(部品代)」と「作業の難易度」で決まります。同じ「鍵交換」でも、刻みキーとディンプルキーでは2倍以上の差が出ます。
| 交換する鍵 | 費用の目安(税込) | 防犯性 | こんな物件に |
|---|---|---|---|
| 弊社の鍵交換(出張料込み) 自社施工 | 15,000円+税〜 | 標準〜高 | 大量仕入れ+自社施工でコストを圧縮 |
| 刻みキー(ピン・ディスクシリンダー) | 22,000〜27,500円 | 標準 | 築年数が経過したアパート、コスト重視 |
| ロータリーディスクシリンダー | 22,000〜33,000円 | やや高 | コスパ重視。多くの賃貸物件で採用 |
| ディンプルキー | 27,500〜55,000円 | 高い | ファミリー向け、防犯を訴求したい物件 |
| シリンダー+錠前セット交換 | 38,500円〜 | 高い | 錠前自体の劣化、ドアとの相性不良 |
| 電子錠・スマートロック | 55,000円〜 | 高い | 非対面運用、民泊・短期利用、差別化 |
出典:鍵猿「玄関の鍵交換の費用の内訳」(2026年9月時点)/くらしのマーケット「鍵交換の費用相場」(2026年8月時点)/UR都市機構「賃貸物件の鍵交換費用は借主が負担する?」。業者・地域・ドアの形状により変動します。
鍵の種類で費用はここまで違う
REASON「業者に頼むと高い」の正体
結論から言うと、鍵業者の料金が高いのではなく、「緊急・単発・情報不足」の3つが重なると高くなるという構造です。内訳を知れば、下げられる部分と下げられない部分が見えてきます。
夜間・早朝(21時〜翌8時)は+5,500円程度が加算される例があります。休日対応も同様。緊急度が高いほど単価は上がります。
1現場ごとに移動と手配が発生します。出張費無料の業者もある一方、3,000円程度かかるケースもあります。
ディンプルキーは刻みキーの約2倍。メーカー純正・登録制のシリンダーは取り寄せになり、日数とコストがかさみます。
扉の加工、錠前ごとの交換、建付け調整が必要になると、加工費7,700〜8,800円程度が別途発生します。
1件ずつ相見積もりを取る発注は、比較の手間も含めて割高になりがち。継続取引の一括発注は単価が安定します。
「基本料金無料」の裏で作業費を上乗せする例も。総額提示を求め、作業前に金額を確定させるのが鉄則です。
※公表価格をもとにした試算例。実際の金額は業者・時期・物件条件により異なります。
「1回いくらか」ではなく、「1室あたり・10年でいくらか」で見てください。入居時に交換し、退去時に交換し、途中で1回紛失対応があれば、1室で3回の交換が発生します。1回2.7万円なら約8万円。ここに空室期間の損失が加わると、鍵のグレード選択の影響は無視できません。
SOLUTION費用を抑える7つの方法
鍵交換の費用は、「何を選ぶか」より「どう発注するか」で大きく変わります。今日から実践できる順に7つ挙げます。
管理会社に一括発注する(もっとも効果が大きい)
管理会社は日々の取引で業者と単価を決めています。1件ずつ相見積もりを取るより、作業費・出張費の条件が安定し、夜間割増を避けた日程調整も可能です。緊急時も「まず管理会社へ」の一本化で、ぼったくり業者に当たるリスクを減らせます。
効果の目安:1件あたり数千円〜1万円台の差作業は平日の日中に寄せる
夜間・早朝は5,500円程度の割増が付く例があります。入居前の交換なら、退去立会いや清掃のタイミングに合わせて日中にまとめる。これだけで実質1割以上の差になります。
鍵のグレードを「物件に見合う」水準に調整する
すべての部屋をディンプルキーにする必要はありません。1階・角部屋・女性入居者向けなど、防犯訴求が効く部屋に絞ってグレードを上げ、それ以外はロータリーディスクシリンダーにする、といった使い分けが現実的です。
ロータリーディスクは「刻みキー並みの価格で防犯性は向上」する選択肢シリンダーだけ交換する(錠前はそのまま)
ドア本体や錠前ケースに不具合がなければ、シリンダー(鍵穴)のみの交換で済みます。錠前ごと交換すると38,500円〜かかるのが、シリンダー交換なら2万円台前半で収まるケースが一般的です。
複数箇所・複数室をまとめて発注する
玄関+勝手口、同じ建物の複数室を同時に交換すると、移動と手配のコストが分散されます。2か所目以降の割引を設定している業者もあります。
契約時の負担ルールを整備する
「入居時の交換は貸主負担」「紛失・破損は借主負担」など、ルールを契約書・重要事項説明書・募集図面で一致させておく。毎回の交渉コストがなくなり、結果的にいちばん安くつきます。
書面の記載がバラバラだと、その場で全額負担を求められることがあります予防的に管理する(鍵の台帳・スペアキー・点検)
鍵の型番・本数・交換履歴を台帳化しておくと、紛失時の再発行や交換の判断が早くなります。共用部のオートロックは定期点検で故障を早期発見。電子錠なら電池切れの運用ルールも決めておきます。
「借主が手配した業者に、オーナーが後から全額支払う」形です。相場の2〜3倍の請求が届いてからでは交渉が難しくなります。緊急時でも「まず管理会社へ連絡」を入居者に周知しておくことが、最大の防御になります。
弊社であれば、出張料込み¥15,000+税〜で対応可能です。シリンダーのメーカーからの大量仕入れと自社施工により、リーズナブルな価格を実現しています。鍵の種類・ドアの形状・交換箇所数により異なりますので、まずは無料のお見積りをご依頼ください。
シリンダーをメーカーから大量仕入れ(中間マージンをカット) 自社施工だから、下請け手数料がかからない スペアキーの追加発注も純正キー1本 ¥4,400+税〜
TYPE鍵の種類と選び方
見積もりを見て「なぜこの金額なのか」を理解するには、鍵の種類を知っておく必要があります。賃貸住宅で使われる主な6種類を、特徴と費用感で整理しました。
両端に刻みがある最も一般的な鍵。価格は安いが防犯性は低め。古い賃貸に多い。
片側だけ刻みがあるシンプル構造。築年数の古い住宅に多い。現行品はピッキング対策済みも。
ディスクの後継。ロッキングバーで防犯性が向上。価格と性能のバランスが良く賃貸向き。
表面のくぼみで解錠。鍵違いが多く複製も難しい。防犯性は高いが価格も高い。
磁気カードで解錠。複製が難しく、共用部のオートロックと相性が良い。再発行は比較的安価。
暗証番号・カード・スマホで解錠。非対面運用が可能。電池切れと故障時の対応設計が必須。
入居者様から「家族の分の合鍵がほしい」と依頼があった場合は、純正キー1本 ¥4,400+税〜で承ります。ディンプルキーなど登録制のシリンダーは、メーカーへの登録確認が必要なため、通常の合鍵店では複製できません。また、無断で複製されると鍵の管理が把握できなくなるため、発注は必ず管理会社を通す運用がおすすめです。発注時は「どの鍵か(鍵の刻印・写真)」を確認のうえ、本数を台帳に記録します。
選ぶときの3つの軸
侵入されにくさ。1階・角部屋・女性単身向けはグレードを上げる価値が高い。
初期費用だけでなく、紛失時の再発行・交換費用まで含めた総額で見る。
合鍵の作りやすさ、電池交換、故障時の対応、入居者への説明のしやすさ。
CONTRACT借主負担にするときの注意点
「借主負担にしたい」と考えるオーナー様は多いのですが、書き方と説明を間違えると、特約ごと無効になりかねません。押さえるべきは5点です。
契約書・重要事項説明書・募集図面・賃貸借明細書の記載がバラバラだと、後から争いになります。すべて同じ文言・同じ金額に統一します。
「実費」だけでは後のトラブルに。想定金額(例:20,000円・税別)と、何が含まれるか(部品・作業・出張)を書きます。
相場の2〜3倍の設定は、消費者契約法10条により無効と判断されるリスクがあります。相場根拠を残しておくことが防御になります。
重要事項説明の場で口頭説明を行い、説明書への記名・押印、電子契約のログなどを保存します。「聞いていない」を防ぐ最重要ポイントです。
退去精算で「鍵交換費」と「鍵のクリーニング費」を別々に請求するなど、実態のない項目を重ねると信頼を失います。明細は項目を分けて、根拠を示します。
「鍵交換費用は全額借主負担」「理由を問わず借主が負担」など、原因を問わない一律条項は危険です。原因区分を書き分けましょう。
特約の書き方(例文)
実際の契約では、原因ごとに分けて書くのが安全です。以下は構成の一例です(文面は契約全体との整合が必要なため、必ず顧問先・管理会社で確認してください)。
【特約条項イメージ】
第○条(鍵の交換)
1. 入居に際し、前入居者が使用した鍵の防犯上の懸念を解消するため、貸主の負担においてシリンダーを交換する。交換費用は○,○○○円(税込)を目安とする。
2. 賃借人の責めに帰すべき事由(鍵の紛失、故意又は過失による破損等)により鍵の交換が必要となった場合は、賃借人の負担とする。この場合の費用は実費とし、作業前に見積書を提示する。
3. 賃借人の希望により防犯性の高い鍵へ変更する場合は、その差額を賃借人の負担とする。退去時には、貸主が指定する仕様に復するものとする。
入居時の鍵交換は「前入居者の鍵リスクを消す」という貸主側の管理義務の性格が強く、借主に全額負担させる特約は、説明不足だと消費者契約法10条で無効と争われる余地があります。実際に、借主負担とした特約の効力が争われた事例も紹介されています(参考:RETPC「入居時の鍵交換費用を賃借人の負担とすることの是非」)。金額を相場内に収め、口頭説明と合意記録を残すことが現実的な運用です。
WORKFLOW相談が来てからの実務フロー
「鍵を替えてほしい」と連絡が来たその日から、完了までの流れを8ステップで整理します。この順番を守れば、費用の取りこぼしも、後のクレームも減ります。
そのまま使える一次対応スクリプト
「お電話ありがとうございます。鍵の件でご連絡いただいたのですね。
まず、いつ・どちらで・何が起きたかを教えていただけますか。
(聞き取り後)状況を確認しました。鍵の交換が必要かどうか、そして費用の負担がどちらになるかは、ご契約の内容と原因によって変わります。
本日中に契約書を確認し、お見積もりとあわせて明日の午前中までにご連絡します。
それまで、ドアの鍵は必ず施錠してお過ごしください。不着のご心配がある場合は、警察への遺失物届もお願いします。」
ポイントは、その場で負担者を断定しないこと。「確認して連絡します」と言えるだけで、後の選択肢は大きく広がります。
見積書で必ず確認する5項目
Q&Aよくある質問
現場で実際に多い8つの質問に、実務目線でお答えします。
Q「防犯上不安なので鍵を替えてほしい」と言われました。必ず応じる必要がありますか?
法的に「必ず応じなければならない」とまでは言えませんが、前入居者の合鍵が流通している可能性を消すという意味では、応じる合理性が高いケースです。入居時の交換は貸主負担が一般的で、断った場合に入居希望者が他物件へ流れるリスクも考慮すべきです。グレードを上げずに標準的なシリンダーで交換する、費用を抑えた現実的な落としどころを提示しましょう。
Q合鍵を作られたかもしれないと言われました。どう確認すればいいですか?
作られたかどうかを物理的に確認する方法はありません。そのため、「疑いがある時点でシリンダーごと交換する」のが原則です。ディンプルキーなど登録制のシリンダーは、正規の複製でも登録カードが必要になるため、抑止力があります。交換後は鍵の本数を台帳に記録し、借主に受領書を渡してください。
Q費用をかけたくないのですが、交換せずに済ませる方法はありますか?
補助錠の追加やガードプレートの取付で安心感を補う方法はありますが、「前入居者の鍵」という根本リスクは残ります。費用を抑えたい場合は、①シリンダーのみ交換、②刻みキー/ロータリーディスクを選ぶ、③平日日中にまとめる、の3点で調整するのが現実的です。交換しない判断をする場合は、その旨と理由を記録に残しておきましょう。
Q借主が勝手に鍵業者を呼んでしまいました。費用は誰が払うのですか?
原則は依頼した人(借主)が業者に支払うものです。ただし、緊急避難的に開錠した場合など、貸主に管理責任がある場面では負担が争われます。まずは何のために・誰の判断で呼んだのかを確認し、請求書の内容を精査してください。相場を大きく超える請求は、そのまま支払わずに管理会社へ相談するのが安全です。
Q夜中に締め出されたと言われました。応急対応はどうするべきですか?
まず居住者の安全確保を最優先にし、応急の開錠を手配します。この時点で「交換費用の負担」を議論すると混乱するため、開錠は開錠、交換は交換として切り分けます。翌営業日に原因を確認し、シリンダー交換の要否を判断。夜間割増(5,500円程度)が発生する旨は、事前に借主へ伝えておくと後のトラブルを防げます。
Qスマートロックにしたいのですが、鍵交換の範囲でできますか?
取付可能な製品は増えていますが、「鍵交換」ではなく「設備の追加・変更」として扱うのが基本です。費用は55,000円〜が目安で、電気工事やネットワーク環境が必要な場合もあります。導入する場合は、①電池切れ時の運用、②故障時の解錠方法、③退去時の原状回復(元の錠前に戻すか)、④管理規約上の制限の4点を先に決めておきましょう。
Q退去時に鍵が返ってきません。交換費用は請求できますか?
合鍵の返却は契約上の義務であり、返却がない場合は防犯上のリスクを解消するための交換費用を請求できるのが一般的です。ただし、請求額は実費+作業費の範囲にとどめ、相場を超える上乗せは避けます。退去精算書には「鍵交換(合鍵未返却)」として独立した項目で記載し、根拠となる見積書・領収書を添付します。
Qスペアキー(合鍵)の追加はできますか?
承ります。弊社では純正キー1本 ¥4,400+税〜でご案内しています。ディンプルキーなど登録制のシリンダーは、メーカーへの登録確認が必要なため通常の合鍵店では複製できません。無断複製は鍵の管理が把握できなくなる原因になるため、発注は管理会社経由に統一することをおすすめします。なお、退去時には追加した鍵もすべて返却いただく旨を、入居時にあわせて説明しておくと安心です。
Q交換の記録はどこまで残せばいいですか?
最低限、①交換日、②業者名、③型番・メーカー、④費用と負担者、⑤鍵の本数、⑥交換前後の写真を残します。写真はシリンダー本体と鍵の刻印が写っていると、後の紛失対応で役立ちます。物件ごとの「鍵台帳」を作り、管理会社とオーナー様の双方で共有しておくと安心です。
COMPARE管理会社に任せるメリット
「自分で業者を探したほうが安いのでは?」と考えるオーナー様も多いのですが、実際にはトータルで見ると管理会社経由のほうが有利な場面が少なくありません。理由は価格だけではありません。
| 比較項目 | オーナー様が直接手配 | 管理会社に依頼 |
|---|---|---|
| 価格 | 1件ごとの相見積もり。交渉は都度 | 取引条件が安定。夜間割増を避けた調整も可能 |
| スピード | 業者探し・日程調整に時間がかかる | 既存の取引網で即日〜数日で手配 |
| 借主対応 | オーナー様が直接対応。負担が大きい | 一次対応・説明・日程調整を代行 |
| 負担判断 | 契約書を都度確認する必要 | 契約内容を踏まえた整理を提示 |
| 記録・証跡 | 個人管理になりがち | 台帳・写真・領収書を一元管理 |
| 緊急時 | 夜間・休日の窓口が不明 | 連絡ルートが一本化される |
| トラブル時 | オーナー様が当事者 | 間に入って調整(中立な立場) |
※ 対応範囲は管理委託契約の内容により異なります。詳細は各管理会社にご確認ください。
CHECKLISTまとめ:チェックリスト
最後に、鍵交換の相談が来たときに確認したい項目を10個にまとめました。印刷してデスクに置いておくと便利です。
鍵交換は「高い」「面倒」という印象を持たれがちですが、正体は情報の非対称です。原因・契約・相場の3つが手元にあれば、オーナー様が判断を誤ることはほとんどありません。そして、その3つを揃えるのが管理会社の仕事です。
「これ、自分で判断していいのかな」と思った時点で、遠慮なくご相談ください。
鍵交換のご相談は、
エイブルネットワーク名古屋南店へ
「借主から鍵交換を求められたが、負担はどうするべきか」「見積もりが高すぎないか不安」「急な締め出しで困っている」——こうしたご相談は、管理課が一次対応から業者の手配、記録の保管まで承ります。物件名と号室をお伝えいただければ、契約内容を確認してご案内します。