
アパート経営の利回りの目安は?計算方法と理想ライン・最低ライン
アパート経営の利回りの目安は?計算方法と理想ライン・最低ライン
結論
アパート経営の利回りは「表面利回り」ではなく「実質利回り(NOIベース)」で判断します。名古屋市全域・大府・東海市・知多市・東浦町・刈谷市の目安は、木造中古で7〜9%、木造新築で5.5〜7%、RC中古で6〜8%、区分マンション中古で4〜6%程度です。ただし利回りは空室率・経費率・返済比率とセットで見なければ、判断を誤ります。
- 実質
- 表面利回り−3〜4ポイント
- DSCR
- 1.2以上を確保
- 稼働
- 90%で試算する
01利回りの計算式と「目安」の考え方
利回りは、物件価格に対して年間どれだけの収入が得られるかを示す割合です。計算式自体はシンプルですが、「何を分子に入れるか」で数字が大きく変わります。ここが利回り論の最大の落とし穴です。
| 種類 | 計算式 | 特徴 |
|---|---|---|
| 表面利回り | 年間賃料収入 ÷ 物件価格 × 100 | 広告で使われる数字。経費も空室も考慮しない |
| 実質利回り | (年間賃料収入 − 年間経費)÷ 物件価格 × 100 | 経費を織り込んだ数字。判断の基本はこちら |
| 返済後CF利回り | (NOI − 年間返済額)÷ 自己資金 × 100 | 手残りが自己資金に対して何%かを示す |
「理想ライン」と「最低ライン」は、属性や目的によって変わります。ただし一般的には、実質利回りが借入金利+2〜3%を下回る場合は、返済が苦しくなる可能性が高いと考えておくと安全です。金利2.5%の借入なら、実質利回り5%以上が一つの防衛ラインになります。
02表面利回りと実質利回りの違い
表面利回りの式には、経費が一切入っていません。しかし実際には、次のような費用が毎年発生します。
- 管理委託料(賃料の5%前後)
- 固定資産税・都市計画税(年税額)
- 火災保険料(年換算)
- 修繕費・修繕積立(家賃の5〜8%目安)
- 原状回復・募集広告費(入れ替わり時)
- 保証会社手数料・各種点検費
- 空室による損失
これらを合計すると、経費率はおおむね賃料収入の20〜30%になります。つまり表面利回り8%の物件は、実質では5.5〜6.5%程度になり、さらに空室率5〜10%を考慮すると、実際の収益は5%前後まで下がる可能性があります。
03エリア・築年数別の利回り水準
利回りは、エリア・構造・築年数によって大きく異なります。名古屋市全域・大府・東海市・知多市・東浦町・刈谷市を中心とした、一般的な水準の目安を整理します。
| 物件タイプ | 表面利回りの目安 | 実質利回りの目安 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 木造アパート(新築) | 5.5〜7.0% | 4.0〜5.0% | 建築費高騰の影響で低下傾向 |
| 木造アパート(中古・築10〜20年) | 7.0〜9.0% | 5.0〜6.5% | 修繕リスクが上乗せされる |
| 軽量鉄骨アパート(中古) | 6.5〜8.5% | 4.5〜6.0% | 3階建てが多い。都市部の単身向け |
| RCアパート(中古) | 6.0〜8.0% | 4.5〜5.5% | 耐用年数が長く長期運用向き |
| 区分マンション(中古) | 4.0〜6.0% | 2.5〜4.0% | 管理費・修繕積立金の負担が大きい |
エリア別では、名古屋市南部(南区・港区・緑区など)は都心部より利回りが高く、単身向け・ファミリー向けの双方に需要があるのが特徴です。ただし駅距離が遠い物件は、利回りが高くても空室期間が長くなる傾向があります。
築年数と利回りの関係
築年数が経つほど、価格が下がるため表面利回りは上がります。しかし同時に、修繕費・原状回復費・空室率も上がります。「利回りが高い=儲かる」ではなく「利回りが高い=リスクが価格に織り込まれている」と理解するのが正確です。
04利回りだけで判断してはいけない理由
理由1:空室率が収入を左右する
満室を前提とした利回りは、あくまで理論値です。8戸の物件で1戸が年間空室になると、収入は約12.5%減ります。稼働率95%を前提とするなら、表面利回りから約0.4ポイント差し引いて考える必要があります。
理由2:経費率は物件によって違う
同じ利回りでも、管理委託料・修繕費・固定資産税の水準は物件ごとに異なります。特に木造は修繕サイクルが短く、外壁塗装や屋根のメンテナンスが10〜15年周期で発生します。RCはサイクルが長い分、1回あたりの金額が大きくなります。
理由3:返済額とのバランスが本質
利回りが高くても、借入額が多ければ手残りは残りません。DSCR(NOI÷年間返済額)が1.2以上あるかどうかを、必ず確認してください。1.0を下回ると、空室が1戸出ただけでキャッシュフローがマイナスになります。
理由4:出口(売却)を考えた価値
利回りは購入時の判断材料ですが、売却時には「買い手が付く利回りか」が問われます。築年数・立地・構造によって、将来の売却可能性は変わります。表面利回りだけを追うと、出口で苦しむことがあります。
05計算例|表面8%が実質5%になるケース
具体的な数字で確認します。木造1棟(8戸)、物件価格4,000万円、満室賃料月48万円(年576万円)のケースです。
| 項目 | 金額(年間) | 計算 |
|---|---|---|
| 満室賃料収入 | 576万円 | 月48万円×12 |
| 空室損失(稼働率95%) | ▲28.8万円 | 576万円×5% |
| 管理委託料(5%) | ▲27.4万円 | 実収入×5% |
| 固定資産税・都市計画税 | ▲28万円 | 概算 |
| 火災保険料 | ▲6万円 | 5年一括を年換算 |
| 修繕費・積立 | ▲35万円 | 実収入の約6% |
| その他(点検・広告・雑費) | ▲12万円 | 概算 |
| NOI(営業純収益) | 438.8万円 | 収入−経費 |
| 表面利回り | 14.4% | 576万円÷4,000万円 |
| 実質利回り | 11.0% | 438.8万円÷4,000万円 |
この例では表面と実質の差は3.4ポイントです。金利2.5%・35年返済・借入3,200万円の場合、年間返済額は約137万円。NOI 438.8万円 − 返済137万円 = 約301万円が手残りになります(税引前)。DSCRは3.2となり、返済余力は十分です。
一方、表面利回りが同じでも、経費率が30%を超える物件や、稼働率が85%を下回る物件では、手残りは大きく減ります。「表面利回り−3〜4ポイント=実質」を頭に入れておくと、広告数字に振り回されなくなります。
06よくあるご質問
Q. 利回りは何%あれば「良い物件」ですか?
Q. 表面利回りと実質利回り、どちらで比較すべきですか?
Q. 利回りが高い物件は危険ですか?
Q. 新築と中古、利回りはどちらが有利ですか?
Q. 利回り計算を依頼できますか?
その利回り、経費を引くと何%残りますか
広告の表面利回りと、実際の手残りは別物です。当社では、管理実務で蓄積した経費データをもとに、物件ごとの実質利回りと返済後キャッシュフローを無料で試算します。
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