賃貸物件の空室対策にリフォームは有効？人気設備の導入例や選び方も紹介

人気設備を導入することで空室対策に直結する理由

近年、賃貸物件において入居者の関心度が高い設備を導入することは、空室対策として非常に効果的です。「無料インターネット」「宅配ボックス」「オートロック」などの設備は、入居希望者の入居意欲を高めるうえで注目されており、導入によって家賃アップや成約スピードの改善につながるケースが報告されています。とくに、モニター付きインターホンの設置は、防犯面の安心感を強く重視する入居者層に高評価を得ています。

設備の有無によって家賃に差が出るというデータもあり、例えばユニットバスからバス・トイレ別への改修によって、家賃が約１万円上がっても「住みたい」と思う入居希望者が増えるという調査結果があります。このように、設備投資には明確な価値があることが確認できます。

また、他の物件と差別化できる設備の導入は、築年数が古い物件でも競争力を確保するための有効な手段です。たとえば、ワークスペース新設やウォークインクローゼットの追加、可動式パーティションの導入などにより、時代のニーズに合った魅力ある住空間へと再生させることが可能です。静的な修繕に留まらない「価値の向上」を実現すれば、物件としての魅力が格段に高まります。

プチリフォームで手軽に導入できる人気設備とは

賃貸物件の空室対策として、手軽なプチリフォームで導入できる人気設備が注目されています。まず、アクセントクロスは、壁の一部に異なる色や柄を貼ることで空間の印象を大きく変えられる工夫です。工事範囲が小さく、費用を抑えつつ入居者の心を引く効果が期待できます。施工の目安としては、部分貼りでコストを抑えつつも、おしゃれな印象を付けることが可能です（例：１㎡あたり千円程度）。

次に、基本設備の改善も効果的です。例えば、照明をLEDのシーリングライトに交換するだけで、見た目の明るさが向上し、省エネ性能もアップします。また、ワンタッチ式の洗濯水栓に変更すれば、借主の使い勝手が向上し、入居判断にプラスの要素となります。こうした設備は導入コストも比較的低く、投資対効果が高いと評価されています。

さらに、防犯や安心感を高める設備として、モニター付きインターホンの導入もおすすめです。取り付けは比較的簡単で、来訪者の確認機能があることで入居者の安心感を高められるため、空室期間の短縮にもつながります。コストを抑えつつ物件の魅力をアップできるのが魅力です。

以上のようなプチリフォームは、少ない投資で賃貸物件の魅力を高め、空室対策に大きく貢献できます。特に、築年数が経過していても、こうした差別化が入居率アップにつながる有効な方法です。

本格リフォームで人気設備を組み合わせた空間創り

築年数が経過した賃貸物件においては、ただの修繕ではなく、少し踏み込んだ本格リフォーム（リノベーション）によって付加価値を高めることが有効です。たとえばユニットバスをバス・トイレ別に変更したり、水回りを一式最新設備に取り替える工事は、入居者の満足度と家賃設定の向上に直結します。このような改修は設備の印象を根本から刷新し、競争力を大きく改善できる手段です（部分リノベーション）。

さらに、ライフスタイルの変化に対応するために、ワークスペースやウォークインクローゼットを新設するリフォームは、現代の入居者ニーズにマッチします。特に在宅勤務や収納重視の傾向を踏まえ、こうした機能を盛り込むことで入居者に安心感と利便性を提供できます。

また、間取り変更によりアイランドキッチンやＬＤＫ化を実現すると、開放感とデザイン性が向上し、居住魅力を劇的に高められます。現代のニーズを反映した空間設計は、特に若年層やファミリー層に訴求力があります。

以上のように、本格リフォームではターゲットに合わせて設備や間取りを総合的に再構築することで、物件の競争力が大きく向上します。築古物件でも現代のニーズにあった空間へ生まれ変わり、結果として空室の解消や家賃設定の向上に繋がるケースが多く見られます。

補助金などを活用して賢くリフォームを進める方法

賃貸物件のリフォームを検討する際には、国や自治体が提供する補助金制度を上手に活用することが、費用負担を軽減しながら魅力的な設備を整えるコツです。

たとえば「賃貸集合給湯省エネ２０２５事業」は、従来型の給湯器からエコジョーズやエコフィールなどの省エネ型給湯器へ交換する際に、１台あたり５万円～７万円の補助が受けられます（追い炊き機能の有無により金額が異なります）。申請には所定の登録事業者を通す必要があり、開始時期は着工日が２０２４年１１月２２日以降で、申請は予算が尽きる前までに行う必要があります。

他にも、開口部の断熱改修や窓・玄関の改修等と省エネ設備の設置をセットで行う「子育てグリーン住宅支援事業」や「先進的窓リノベ２０２５事業」などもあります。たとえば既存住宅のリフォームにおいて３種類すべての工事を行うＳタイプでは１戸あたり最大６０万円、２種類の工事でＡタイプなら最大４０万円が補助されます。

それぞれの制度には対象条件や補助額・対象機器、申請手続きの流れなどが異なりますので、事前に公式情報を確認し、見通しを立てながらリフォーム計画を練ることが重要です。また、補助金制度に詳しい施工業者と相談し、複数制度の併用が可能か、スケジュール的にいつまでに何を準備すべきかなど、申請前に検討しておくと進行がスムーズになります。

まとめ

賃貸物件の空室対策には、需要が高まっている設備の導入や、低コストで実現できる工夫が大きな効果をもたらします。特に宅配ボックスや防犯設備、アクセントクロスなどは入居希望者の安心や満足を高め、選ばれる物件となるための重要な要素です。また、補助金を活用することで費用負担を抑えて計画的にリフォームを進めることができるため、無理なく物件価値を高められます。本記事でご紹介した方法は、築年数や規模に関わらず多くの賃貸物件に応用できますので、これからの空室対策の一助としてご活用いただければ幸いです。